NIPTで陽性だったら?陽性後の流れ・羊水検査・当院のサポートについてご紹介

NIPT(新型出生前診断)で「陽性」という結果を受け取ると、不安や戸惑いを感じる方は少なくありません。
「赤ちゃんに病気があるということ?」
「もう診断が確定してしまったの?」
「このあと、何をすればいいの?」
結果を聞いた直後は、このような気持ちが先走り、落ち着いて考えることが難しくなるかもしれません。
まず知っておいていただきたいのは、NIPTの陽性は「診断が確定した」という意味ではない、ということです。
NIPTは精度の高い検査ですが、NIPTにおける「陽性」とは、対象となる染色体疾患の可能性が高いことを示す結果であり、確定には羊水検査などの確定的検査が必要です。
この記事では、NIPTで陽性だった場合に、その後どのような流れで確認していくのか、羊水検査や絨毛検査はどのような位置づけなのか、そして当院でNIPTを受けた方にどのようなサポートを行っているのかを解説します。
不安なときほど、一人で急いで結論を出す必要はありません。順番に確認していきましょう。
NIPTで陽性だったら、まず知ってほしいこと

NIPTは、妊婦さんの血液中に含まれる胎盤由来のDNA断片(cffDNA)を調べる検査です。
認証施設で行うNIPTでは、主に21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの可能性を調べます。
ここで大切なのは、NIPTは「スクリーニング検査」であり、検査結果を確定することができない点です。
また、赤ちゃんの細胞を直接調べている検査ではないため、まれに胎盤と赤ちゃんの染色体の状態が一致しないことがあります。
これらの理由から、NIPTで「陽性」と出ても、確定的検査(羊水検査・絨毛検査)で確認すると陰性だった、というケースがあります。
NIPTの「陽性」はどのくらいの確率で的中するのか
NIPTは、従来の母体血清マーカー検査などと比べて精度の高い検査です。
ただし、陽性だった場合に本当に疾患がある割合、つまり「陽性的中率」は、疾患の種類によって異なります。
出生前検査認証制度等運営委員会によると、NIPTを受けた101,218件のうち、陽性は1,825件でした。全体では約1.8%、およそ50人に1人が陽性という結果です。
このうち、21トリソミーで陽性だった方の陽性的中率は97.3%、18トリソミーでは88.0%、13トリソミーでは54.3%と報告されています。
この差があるため、どの染色体について陽性なのか、妊娠週数や超音波所見はどうか、これまでの経過に気になる点があるかを含めて、総合的に考える必要があります。
なお、陽性的中率(実際に疾患がある割合)は年齢などによって変わります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
▷ダウン症の確率は年齢でどれくらい変わる?母体年齢別の目安をNIPT認証施設が解説
NIPT陽性後の基本的な流れ

NIPTで陽性だった場合、その後は結果の意味を確認し、確定的検査を受けるかどうかを相談しながら進めていきます。
| ステップ | 内容 | この段階で大切なこと |
|---|---|---|
| 1. 結果の連絡 | 医療機関から陽性結果の連絡を受ける | 結果だけで判断せず、次の説明を受ける |
| 2. 医師からの説明 | NIPT陽性の意味、対象疾患、陽性的中率、これからの選択肢などを確認する | 「陽性=確定」ではないことを理解する |
| 3. 妊娠経過の確認 | 妊娠週数、超音波所見、これまでの経過を確認する | 結果を単独で見ず、全体像で考える |
| 4. 確定的検査の相談 | 羊水検査や絨毛検査について説明を受ける | 検査の時期、方法、リスク、費用を確認する |
| 5. 検査を受けるか決める | 本人・パートナー・家族で相談し、希望を整理する | 一人で抱え込まず、医師にも相談する |
| 6. 確定的検査 | 希望する場合、連携先や実施施設で検査を受ける | 検査を受けられる期間を意識してスケジュールを計画する |
| 7. 結果後の相談 | 確定検査の結果をもとに、今後について考える | 医学的情報とご本人の価値観の両方を大切にする |
この流れの中で大切なのは、まず結果の意味を正しく理解することです。
同じ「陽性」でも、21トリソミーなのか、18トリソミーなのか、13トリソミーなのかによって、陽性的中率は異なります。
また、妊婦さんの年齢、妊娠週数、超音波検査で見えている所見によっても、結果の受け止め方は変わります。
インターネット上には多くの体験談がありますが、同じNIPT陽性でも背景は一人ひとり違います。だからこそ、陽性後は出生前検査に詳しい医師から説明を受けることが大切です。
当院では陽性の場合、まずお電話でご連絡します
丸の内の森レディースクリニックでは、NIPTの結果が陰性の場合は、ご希望に応じた方法で結果をご連絡しています。
一方、陽性の場合は、連絡手段のご希望にかかわらず、まずお電話でご連絡します。
陽性という結果は、メールやLINEの文面だけで受け取るには心理的負担が大きいものです。結果の言葉だけが一人歩きしてしまうと、「もう確定なのではないか」「すぐに何かを決めなければいけないのではないか」と、不安が強くなってしまうことがあります。
そのため当院では、陽性という結果をお伝えする際に、次に何を確認するのか、どのような選択肢があるのかをあわせて説明できるようにしています。
確定的検査とは?羊水検査と絨毛検査の違い

NIPTは非確定的検査です。診断結果を確かめるためには「確定的検査」を検討します。
代表的な確定的検査には、羊水検査と絨毛検査があります。
| 項目 | 羊水検査 | 絨毛検査 |
|---|---|---|
| 主な実施時期 | 妊娠15〜16週以降 | 妊娠11〜14週ごろ |
| 調べるもの | 羊水中に含まれる胎児の細胞 | 絨毛(胎盤の組織の一部) |
| 結果までの目安 | おおむね2〜3週間 | おおむね2〜3週間 |
| 流産のリスク | 約0.3% | 約1% |
| 注意点 | 検査可能時期まで待つ必要がある場合がある | 実施できる施設が限られ、羊水検査に比べて行っている医療機関が少ない |
| 当院での対応 | 当院でNIPTが陽性となった方には、東京慈恵会医科大学附属病院にご紹介。その場合の羊水検査は無料。 | 必要に応じて、専門施設での相談・対応を検討 |
羊水検査は、超音波で赤ちゃんや胎盤の位置を確認しながら、お腹に細い針を刺して羊水を採取し、羊水中に含まれる赤ちゃん由来の細胞を調べる検査です。
絨毛検査は、胎盤になる組織を採取して調べる検査です。羊水検査より早い時期に実施できる場合がありますが、検査の適応や対応可能な施設は限られます。
当院でNIPTを受けた方は、羊水検査の費用がかかりません
当院でNIPTを受けて陽性となった方は、確定診断のための羊水検査に費用がかかりません。受診先は、当院連携の東京慈恵会医科大学附属病院をご紹介しています。
一般的に、羊水検査は自費診療で10〜20万円程度かかることがあります。
陽性という結果で大きな不安を抱えているときに、さらに費用面の心配が重なることは、妊婦さんやご家族にとって大きな負担です。
そのため当院では、陽性となった方の不安と負担に配慮し、確定診断のための羊水検査に費用がかからない体制を整えています。
パートナーや家族と話すときのポイント

NIPT陽性後は、パートナーや家族と話し合う場面が出てくることがあります。
ただ、いきなり大きな決断について話そうとすると、お互いに感情が追いつかないこともあります。
まずは、「今すぐ結論を出すため」ではなく、「今の不安を共有するため」に話すことから始めてもよいと思います。
例えば、次のようなことを分けて話すと整理しやすくなります。
| 話し合うこと | 具体的な内容 |
|---|---|
| 医師から説明されたこと | 陽性は確定ではないこと、確定的検査の選択肢があることなど |
| 今一番不安なこと | 結果そのもの、確定的検査までの期間、仕事や家庭の調整など |
| 次の診察で医師に聞きたいこと | 確定的検査の時期、紹介先、費用、結果判定までの期間など |
| 家庭内で必要な準備 | 通院日の調整、上の子の預け先、通院時の同伴など |
どちらか一方が急いで答えを出す必要はありません。
お互いの理解のスピードが違うこともあります。言葉にすることで、初めて自分の気持ちに気づくこともあります。
医師からの説明や今不安に思っていることを整理しつつ、次の選択肢について方針を定めていきましょう。
具体例で見る、NIPTの陽性後の過ごし方

例1:妊娠11週で21トリソミー陽性だった場合
妊娠11週でNIPTを受け、21トリソミー陽性という結果が出た場合、まず結果の意味を確認します。
21トリソミーはNIPTの中でも陽性的中率が比較的高い項目です。ただし、それでもNIPTだけで診断が確定するわけではありません。
確定的検査の一つ「羊水検査」を受けるには、妊娠週数15~16週まで待つ必要があります。
この間に、確定検査を受けるかどうかを医師やパートナー・ご家族と相談しましょう。
例2:妊娠12週で13トリソミー陽性だった場合
出生前検査認証制度等運営委員会による、妊婦さん10万人の追跡調査によると、13トリソミーの陽性的中率は54.3%と、比較的低いことが報告されています。
つまり、NIPTで陽性でも、確定的検査では異常が確認されないケースがあります。
しかし陽性的中率は年代によって変わります。
同委員会では、NIPTコンソーシアムの実測データをもとに、年齢別・疾患別の陽性的中率の推定を算出しており、25歳で13トリソミー陽性の場合、陽性的中率は2割を切る一方で、44歳で21トリソミー陽性の場合は99%程度と説明されています。
NIPTの結果だけで判断するのではなく、母体年齢などを踏まえて、今後の選択肢を医師と考えることが大切です。
例3:他院でNIPT陽性となり、不安が強い場合
他院でNIPTを受け、陽性結果を受け取ったものの、十分な説明を受けられず不安が残っている方もいます。
そのような場合は、検査結果について相談できる医療機関を探すことをおすすめします。
どの項目が陽性だったのか、確定検査はどこで受けられるのか、費用や時期はどうなるのかを、医師と一つずつ整理することで、次の行動が見えやすくなります。
NIPTの陽性後に避けたいこと

NIPTで陽性だったとき、避けていただきたいのは、NIPTの結果だけを見て一人で結論を出してしまうことです。
特に、SNSや個人ブログの体験談は、気持ちの支えになることもありますが、ご自身の状況にそのまま当てはまるとは限りません。
妊娠週数、母体年齢、検査項目、超音波所見などが異なれば、結果の解釈も変わります。
また、「陽性=確定」と思い込んでしまうことも避けたいことです。NIPTは高精度な検査ですが、確定的検査ではありません。
特に13トリソミーは陽性的中率が比較的低い傾向にあるため、NIPTの結果だけで陽性とは断定はできません。
一人で不安を抱えず、信頼できる医師に相談しましょう。
当院の診療案内NIPT(新型出生前診断)|「陽性」と出た場合NIPTの陽性に関してよくある質問

東京・丸の内のNIPTのご相談は「丸の内の森レディースクリニック」へ

NIPTで陽性だった場合、不安を感じることは自然なことです。しかし、NIPTの「陽性」は診断の確定ではありません。まずは結果の意味を正しく理解し、必要に応じて羊水検査などの確定的検査を検討しましょう。
陽性後に大切なのは、検査結果だけを見て一人で判断しないことです。どの項目が陽性だったのか、陽性的中率はどの程度なのか、超音波の所見はどうか、確定検査を受ける場合はいつ・どこで受けられるのかなどを、医師と一緒に整理していく必要があります。
当院・丸の内の森レディースクリニックは、日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会に認められたNIPT認証施設です。
検査前の説明、プレエコー、結果判定後のフォロー、陽性時の確定的検査まで、妊婦さんとご家族が安心して相談できる体制を整えています。
また、当院でNIPTを受けて陽性となった方には、東京慈恵会医科大学附属病院と連携し、確定診断のための羊水検査を費用負担なく受けられるようにご案内しています。
他院で妊婦健診中の方、出生前検査のみを希望される方も受診可能です。
NIPTは、受けること自体が目的ではありません。ご自身とご家族が、必要な情報を得て、納得して次の選択を考えるための検査です。そのために当院では、検査前から検査後まで一貫して妊婦さんを支える体制を大切にしています。
NIPTを受ける前でも、結果を受け取った後でも、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 丸の内の森レディースクリニック:出生前診断(NIPT・新型出生前診断)
- 出生前検査認証制度等運営委員会:NIPTとは
- 出生前検査認証制度等運営委員会:NIPTを受けた10万人の妊婦さんの追跡調査
- 出生前検査認証制度等運営委員会:羊水検査
- 出生前検査認証制度等運営委員会:絨毛検査
- 出生前検査認証制度等運営委員会:認証医療機関・認証検査分析機関一覧
- PubMed:Evaluation of the clinical performance of noninvasive prenatal testing at a Japanese laboratory
- ACOG:Current Guidance on Non-Invasive Prenatal Testing







