丸の内の森レディースクリニック

ダウン症はいつわかる?妊娠何週から検査できるかをNIPT認証施設が解説

白いシーツの上ですやすや眠る赤ちゃん
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執筆者兼監修者プロフィール

当院の診療内容は全て医師が監修しております。

院長 宋 美玄
院長
宋 美玄
Mihyon Song

「赤ちゃんがダウン症かどうか、妊娠中に調べた方がいいのかな?」
妊娠がわかってから、ふとしたときにこのような疑問が頭に浮かぶ方は少なくありません。

ダウン症候群(21トリソミー)については、妊娠中に調べる方法がいくつかあります。
ただし、検査によって「可能性を調べるもの」と「診断を確定するもの」があり、受けられる時期も異なります。

たとえばNIPT(新型出生前診断)は、妊娠10週以降にダウン症の可能性を調べられる検査です。妊娠11-14週ごろの初期精密超音波検査では、NT(首の後ろのむくみ)や鼻骨、心臓・体のつくりなどから、染色体疾患を疑う所見が見つかることがあります。一方で、妊娠中に診断を確定するには、絨毛検査や羊水検査などの確定的検査が必要です。

また、出生前検査を受けていない場合や、妊娠中に結果がはっきりしなかった場合には、出生後に診断されることもあります。

この記事では、ダウン症の検査・診断について「いつ、どのように、何がわかるのか」をできるだけわかりやすく整理します。
検査を受けるかどうか迷っている段階の方は、ぜひ参考にしてください。

出生前診断やNIPT全体の種類・費用・受診の流れを先に知りたい方は、当院の解説ページ「NIPT(新型出生前診断)」をご覧ください。

ダウン症とは

指をくわえて床に座る赤ちゃん

ダウン症候群は、21番染色体が通常より1本多い、または21番染色体に由来する遺伝情報が多いことで起こる先天的な状態です。医学的には「21トリソミー」とも呼ばれます。

具体的には、21番染色体が3本ある、または21番染色体の一部が他の染色体にくっついて余分に存在するなどの変化がみられます。
タイプとしては、「標準型」「転座型」「モザイク型」の3種類があります。

ダウン症の特徴としては、発達がゆっくりであること、筋肉の緊張が弱いこと、特徴的な顔立ち、心疾患や消化器疾患などを伴うことが挙げられます。
ただし、症状や発達のペース、合併症の有無には大きな個人差があり、必ずしもこのような特徴が発生するとは限りません。

ダウン症の多くは偶発的に起こるもので、妊娠中の生活習慣や食事、運動、仕事などが原因で起こるものではありません。
また、ダウン症は病気であると誤解されがちですが、染色体に変化があることと病気であることはイコールではありません。

ダウン症はいつわかるのか

ダウン症の検査・診断方法と時期の目安の一覧表:妊娠10週以降のNIPT、妊娠11+0-14+0週ごろの初期精密超音波検査、妊娠11-14週ごろの絨毛検査、妊娠15-18週ごろのクアトロ検査など、妊娠16週以降の羊水検査、妊娠中期以降の中期精密超音波検査、出生後の診察と血液の染色体検査

ダウン症(21トリソミー)の可能性は、妊娠初期から検査で調べることができます。
検査の方法によって受けられる時期と「わかること」が異なります。

時期の目安検査・診断方法内容・わかること確定/非確定
妊娠10週以降NIPT21トリソミーなどの可能性非確定
妊娠11+0-14+0週ごろ初期精密超音波検査(エコー)NT(首の後ろの組織の厚み)、鼻骨、心臓、体のつくりなどの所見非確定
妊娠11-14週ごろ絨毛検査染色体の診断確定
妊娠15-18週ごろクアトロ検査などダウン症の確率非確定
妊娠16週以降羊水検査染色体の診断確定的
妊娠中期以降中期精密超音波検査心疾患、消化管疾患、発育、ソフトマーカーなど非確定
出生後診察+血液の染色体検査身体所見の確認、染色体診断確定

ポイントは、妊娠中にわかるのは多くが「可能性(確率)」であり、確定診断は羊水検査・絨毛検査によるということです。
特にNIPTは精度の高い検査ですが、赤ちゃんそのものの染色体を直接調べる検査ではなく、母体血中の胎盤由来cfDNAを分析するスクリーニング検査です。
そのため、NIPTで陽性となった場合も、それだけでダウン症と診断は確定しません。
確定には羊水検査や絨毛検査などが必要です。

妊娠中にダウン症がわかる検査

妊娠中にダウン症がわかる検査:1. NIPT(妊娠10週以降)、2. エコー(超音波検査)(妊娠11-14週・中期以降)、3. 絨毛検査(妊娠11-14週ごろ)、4. 羊水検査(妊娠16週以降)

ここからは、「妊娠中」に行えるダウン症の検査方法をご紹介します。

1: NIPT|妊娠10週以降

NIPTは、妊婦さんの血液を分析し、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの可能性を調べる検査です。

2017年のメタ解析では、単胎妊娠における21トリソミーのNIPT検出率は99.7%、偽陽性率は0.04%と報告されています。

一方で、検出率が高いことと、陽性結果がそのまま診断になることは別です。
NIPTは非常に精度の高いスクリーニング検査でありますが、陽性時には確定的検査とカウンセリングも検討することをおすすめします。

NIPTの検査結果の見方

NIPTの結果は、一般に「陽性」「陰性」「判定保留」で報告されます。

結果意味次に考えること
陽性対象疾患の可能性が高い遺伝カウンセリング、精密超音波、羊水検査・絨毛検査などを検討
陰性対象疾患の可能性が低い3疾患※以外の病気や、まれな偽陰性は否定できない
判定保留陽性・陰性を判定できない再検査、超音波評価、確定的検査などを相談

※21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)

2:エコー(超音波検査)|妊娠11-14週・中期以降

エコーだけでダウン症を確定することはできません。

ただし、エコーはとても重要です。
NIPTが染色体疾患の可能性を見る検査であるのに対し、エコーは赤ちゃんの形や臓器、発育を画像で確認する検査です。
NIPTではわからない構造的な異常が、エコーで見つかることがあります。

・妊娠10週前後のエコー

妊娠10週前後のエコーでは、胎児の心拍、妊娠週数、胎児数、発育の目安などを確認します。
この時期の通常エコーだけで「ダウン症かどうか」を判断することはできません。

・妊娠11-14週の初期精密超音波検査

妊娠11-14週ごろは、初期精密超音波検査が重要な時期です。
この時期には、次のような項目を確認します。

  • NT(首の後ろのむくみ)
  • 鼻骨
  • 静脈管血流
  • 三尖弁逆流
  • 心臓の位置や拍動
  • 頭蓋、脳の初期構造
  • 顔面、腹壁、胃、膀胱、四肢
  • 胎盤、臍帯、羊水

NTが厚い、鼻骨が見えにくい、心臓や消化管などに所見がある場合、21トリソミーを含む染色体疾患の可能性を考えることがあります。

ただし、NTが厚いから必ずダウン症というわけではありません。
染色体疾患以外の心疾患や遺伝性疾患、または一過性の所見として見られることもあります。
反対に、NTが正常範囲でもダウン症が否定されるわけではありません。

・妊娠中期以降の精密超音波検査

妊娠中期以降の精密超音波検査では、初期よりも臓器や体の構造が見えやすくなります。

ただし、妊娠中期以降の精密超音波検査だけでダウン症を診断することはできません。
たとえば「大腿骨が短い」「鼻が低い」「羊水が多い」といった所見だけでダウン症と判断することはできないのです。
ダウン症の可能性は、複数の所見、妊娠週数、検査歴、家族歴、NIPTや血清マーカーの結果をあわせて考えます。

3:絨毛検査|妊娠11-14週ごろ

絨毛検査は、胎盤の一部である絨毛細胞を採取して染色体を調べる確定的検査です。
妊娠11-14週ごろに行われることが多く、羊水検査より早い時期に診断情報を得られる場合があります。

ただし、絨毛は胎盤由来の組織です。胎盤だけに染色体の違いがある限局性胎盤モザイクが疑われる場合などは、結果の解釈に注意が必要なことがあります。

4:羊水検査|妊娠16週以降

羊水検査は、羊水中に含まれる胎児由来細胞を調べる確定的検査です。
妊娠16週以降に検討されることが多く、NIPT陽性後の確定診断として行われる代表的な検査です。

ただし、羊水検査や絨毛検査は診断を確定できるものの、子宮に針を刺す「侵襲的検査」です。
日本医学会のNIPT説明書では、羊水検査や絨毛検査には300分の1程度の流産リスクがあると説明されています。
一方で、近年の海外メタ解析では、検査に関連する流産リスクは従来説明されてきた数値より低い可能性も報告されています。

実際のリスクは、妊娠週数、胎児の状態、母体の状況、実施施設の経験などで変わります。陽性結果を受け取った場合も、数値だけで急いで決めるのではなく、検査の目的、結果を知る意味、検査を受けない選択も含めて、専門家と相談しながら考えることが大切です。

出生後にダウン症がわかるケース

母親に抱かれた赤ちゃんを診察する医師

出生前検査を受けていない場合、または出生前検査では明らかな所見がなかった場合、出生後にダウン症が疑われることがあります。

出生後の検査・診断では、血液検査を行い、21トリソミー(ダウン症)かどうかを調べます。
標準型の21トリソミーであれば血液検査で診断できることが多いですが、モザイク型では血液中の割合が低く、必要に応じてFISH、マイクロアレイ、頬粘膜など他の組織を検討することもあります。

また、医師が診察を行い、以下のような身体的特徴を確認します。

  • 筋肉の緊張が弱い
  • 顔立ちの特徴
  • 首が短く見える
  • 耳の形や位置
  • 手のひらの横じわ
  • 小指の曲がり
  • 哺乳のしにくさ
  • 心雑音や先天性心疾患を疑う所見

ただし、ダウン症の身体的特徴や行動はタイプを問わず似ている一方で、その現れ方には個人差があります。

当院の出生前診断のこだわり

ソファに座りおなかに手を添えてほほえむ妊婦さん

当院の出生前診断では、以下の2点を重視しています。

  1. NIPT前の超音波検査
  2. NIPT認証施設としての丁寧な検査

1:NIPT前の超音波検査

丸の内の森レディースクリニックでは、NIPTをご希望の方に、検査前の説明と超音波検査を行っています。

理由はシンプルです。NIPTは非常に優れた検査ですが、赤ちゃんの病気をすべて調べる検査ではないからです。

実際に当院では、NIPTを希望して来院された方のうち、検査前の超音波所見により、NIPT以外の方針がより適切と判断された方が5.9%いらっしゃいました。

たとえば、超音波で明らかな形態異常が見つかる場合、NIPTで3つのトリソミーだけを調べるより、羊水検査や染色体マイクロアレイなど、別の検査を検討した方が得られる情報が多いことがあります。

2:NIPT認証施設としての丁寧な検査

当院のNIPTでは、以下に対応しています

  • 日本医学会の出生前検査認証制度に基づく認証施設として実施
  • 院長・宋美玄による遺伝カウンセリング
  • NIPT前のプレエコー
  • 妊娠11週以降では初期精密超音波検査との組み合わせも相談可
  • NIPT陽性時の説明と、その後の羊水検査・連携体制
  • 検査を受けるか迷っている段階での相談

出生前検査は「早く受ければよい」「有名な検査を受ければ安心」というものではありません。
ご本人が何を知りたいのか、その検査で何がわかるのか、結果が出た後にどこまで支援を受けられるのかが重要です。

NIPTの具体的な受診時期、流れ、費用、予約方法は、当院のNIPTページで詳しくご案内しています。
→ NIPT(新型出生前診断)

当院の診療案内NIPT(新型出生前診断)|NIPTでわかること(21・18・13トリソミー)

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ダウン症の診断・検査に関してよくある質問

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今回はダウン症の検査・診断方法と、実施のタイミングについてご紹介しました。
ただし、ご紹介したどの検査にもそれぞれの限界があります。NIPTは精度の高いスクリーニング検査ですが、確定診断ではありません。エコーは赤ちゃんの形や臓器を見られる大切な検査ですが、染色体を直接調べる検査ではありません。羊水検査や絨毛検査は確定的検査ですが、わずかながら侵襲に伴う流産のリスクがあります。

「赤ちゃんがダウン症かもしれない」と心配になることは自然なことです。その不安を一人で抱え込まず、ぜひ当院にご相談ください。
検査を受けるかどうかを決める前の段階でも、妊娠何週で、何がわかり、何がまだわからないのかを整理するだけで、次の一歩を考えやすくなります。

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