NIPTの認可施設と無認可施設の違い|認証施設で受ける意味とチェックポイント

NIPT(新型出生前診断)を検討していると、「認可施設」「無認可施設」「認証施設」「非認証施設」「認可外施設」など、似たような言葉がいくつも出てきます。
それぞれどのような違いがあるのか、どの施設を選べばよいのかなど、迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
まず大切なのは、一般に「認可施設」と呼ばれる施設は、正確には日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会が認証した「認証施設」を指すという点です。
一方、「無認可施設」「認可外施設」は、同委員会の認証を受けていない「非認証施設」「認証外施設」を指すことが多い言葉です。
この記事では、NIPTの認可施設と無認可施設の違いを、制度、検査項目、費用、遺伝カウンセリング、陽性時のフォロー、検査精度の考え方まで含めて整理します。
NIPT(新型出生前診断)とは

NIPTとは、妊婦さんの血液中に含まれるcell-free DNA(cfDNA)を調べ、おなかの赤ちゃんが特定の染色体疾患を持つ可能性を調べる検査です。
母体血中のcfDNAの一部は胎盤に由来します。
胎盤は赤ちゃんと同じ受精卵から発生するため、その情報をもとに、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーなどの可能性を推定します。
ただし、NIPTは診断を確定する検査ではありません。
陽性だった場合でも、それだけで赤ちゃんに疾患があると決まるわけではなく、必要に応じて羊水検査などの確定的な検査を検討します。
また、陰性だった場合も、すべての病気や異常を否定できるわけではありません。
日本でのNIPTは、2013年に学会の指針に基づき、限られた施設での臨床研究として始まりました。
その後、指針の枠外でNIPTを実施する医療機関が増え、検査前後の遺伝カウンセリングが十分に行われないケースや、陽性時のフォロー体制が不十分なケースが指摘され始めました。
こうした背景から、妊婦さんとご家族が正確な情報提供と専門的なサポートを受けながらNIPTを検討できるように、出生前検査認証制度等運営委員会による認証制度が設けられました。
つまりNIPTの認証制度は、検査を受ける前から結果が出た後まで、妊婦さんとご家族を適切に支える体制を整えるための仕組みと言えます。
NIPT認証(認可)施設とは

NIPTの認証(認可)施設とは、出生前検査認証制度等運営委員会によって認証された医療機関のことを指します。
NIPTに関する正しい情報提供、検査前の遺伝カウンセリング、陽性時の確定検査への連携、倫理的な配慮などの一定の基準を満たした施設が認証されています。
こども家庭庁の「妊娠中の検査に関する情報サイト」でも、認証施設は、妊婦さんやご家族が正確な情報を得て、十分な支援のもとで出生前検査について考えられるようにする仕組みとして説明されています。
認証施設のNIPTでは、原則として21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つを対象とします。
これは「調べる項目が少ないから不十分」という意味ではありません。
この3疾患は、NIPTの検査精度や医学的意義が比較的よく検証されているため、認証制度の中で対象とされています。
基幹施設と連携施設
認証施設は、役割によって2種類に分かれます。
- 基幹施設:産婦人科医・小児科医が常勤し、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが在籍。検査前のカウンセリングから確定診断、その後のフォローまで一貫して対応できる施設(大学病院や総合周産期母子医療センターなど)。
- 連携施設:基幹施設と連携しながらNIPTを提供する施設。検査前のカウンセリングや採血を行い、確定検査などが必要な場合は基幹施設と協力して対応。NIPTを地域のクリニックで受けやすくする役割も担っている。
NIPT非認証(無認可)施設とは

非認証(無認可)施設とは、出生前検査認証制度等運営委員会の認証を受けていない医療機関を指す表現です。
一般的には非認証施設も医師が在籍する正規の医療機関であり、それ自体が違法というわけではありません。
非認証施設の特徴として、認証施設よりも検査項目の自由度が高いことがあります。
21・18・13トリソミーに加えて、性染色体、全染色体、微小欠失症候群、場合によっては性別判定を提供している施設もあります。
また、予約しやすい、結果が早い、費用が安い、といった点を前面に出している施設もあります。
ただし、施設ごとの差が大きい点には注意が必要です。
遺伝カウンセリングが十分に提供されない、陽性時や判定保留時のフォロー体制が整っていないなど、非認証施設ならではの問題点も指摘されています。
また、こども家庭庁の専門委員会資料でも、21・18・13トリソミー以外については分析的妥当性や臨床的妥当性が十分に確立されていないことと、臨床応用には慎重な対応が必要であることが示されており、「NIPTの検査項目が多い=信頼性が高い」とは言えません。
非認証施設のすべてが不十分というわけではありません。
丁寧に説明し、陽性時の紹介先を確保している施設もあります。
しかし、認証制度の枠組みがないため、受ける側が事前に確認しなければならない項目は多くなります。
認証(認可)施設と非認証(無認可)施設の比較表
| 項目 | 認証施設 | 非認証施設 |
|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 出生前検査認証制度等運営委員会の認証あり | 同委員会の認証なし |
| 違法性 | なし(認証制度の枠組みに沿って実施) | 認証がないこと自体が直ちに違法という意味ではない |
| 主な検査対象 | 21・18・13トリソミー | 21・18・13トリソミーに加えて、性染色体、全染色体、微小欠失などの拡大項目を含む場合あり |
| 遺伝カウンセリング | 必須 | 実施しない場合もある |
| 陽性時の対応 | 確定検査や基幹施設との連携体制がある | 自己手配が必要な場合がある |
| 判定保留時の対応 | 再検査、超音波検査、確定検査などを医学的に検討 | 方針や費用が施設により異なる |
| 性別判定 | 対象外(指針による) | 提供している施設もある |
| 費用 | 約15〜20万円前後が一般的 | 5万〜10万円台など安い場合がある |
費用だけで比較しにくい理由
NIPTは自費診療のため、施設によって費用に差があります。
費用の安さは大切な判断材料の一つですが、「何に対する費用なのか」を確認することが重要です。
例えば同じNIPTの費用でも、次の内容が含まれているかどうかで意味が変わります。
- 初診料・再診料
- 検査前の遺伝カウンセリング
- 検査前の超音波検査
- 採血・検査分析費用
- 結果説明
- 陽性時の相談
陽性や判定保留だった場合には、医師からの説明、確定検査の手配、追加検査の費用、今後の妊娠管理についての相談が必要になります。
検査前には見えにくい部分ですが、ここまで含めて比較することが、後悔しない施設選びにつながります。
NIPT施設を選ぶときのチェックポイント
NIPTを受ける施設を選ぶときは、料金や検査項目数だけで決めず、次の点を確認することをおすすめします。
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| 認証施設かどうか | 出生前検査認証制度等運営委員会の一覧表に施設名が掲載されているか |
| 検査の担当者 | 産婦人科医、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーなどが関わるか |
| 検査前の説明の有無 | NIPTでわかること・わからないことを説明してくれるか |
| 超音波検査の有無 | NIPTの検査前に赤ちゃんの状態を確認する機会があるか |
| アフターフォローの有無 | 陽性時や判定保留時のフォロー体制が整っているか |
| 検査費用に含まれるもの | 遺伝カウンセリングや結果説明などが検査費用に含まれるか |
| 判定保留時の対応 | 再検査や追加評価の方針が明確か |
| 結果説明の方法 | メールの送付だけではなく、医師から説明を受けられるか |
特に確認したいのは、陽性時の流れです。
NIPTは非確定的な検査のため、陽性時には羊水検査や絨毛検査などの確定的な検査を検討する必要があります。
その段階で、相談先や確定検査先が決まっていないと、ご自身で医療機関を探さなければならなくなります。
もう一つ重要なのは、検査を受けない選択も含めて相談できるかどうかです。
出生前検査は、必ず受けなければならない検査ではありません。
検査を受けるかどうか、どの検査を選ぶのか、陽性だった場合にどう考えるのか。
こうしたことを、急かされずに整理できる施設が望ましいでしょう。
認証施設かどうかを確認する方法
その施設がNIPTの認証施設かどうかは、出生前検査認証制度等運営委員会の公式サイトで確認できます。
認証医療機関一覧では、都道府県ごとに基幹施設と連携施設が掲載されています。
連携施設は、基幹施設と協力しながらNIPTを提供する施設です。
連携施設であっても、認証制度の中でNIPTを実施する医療機関であることに変わりはありません。必要に応じて基幹施設と連携できる体制があることが大切です。
NIPTの検査前に知っておきたいこと

NIPTは、妊婦さんの血液中にあるcell-free DNA(cfDNA)を調べる検査です。
血液中のcfDNAの一部は胎盤に由来します。胎盤は赤ちゃんと同じ受精卵から発生するため、cfDNAを調べることで、赤ちゃんに特定の染色体疾患がある可能性を推定できます。
ただし、NIPTはあくまで、特定の染色体疾患の可能性が高いか低いかを調べる「非確定的検査」です。
陽性でも診断は確定できず、陰性でもすべての疾患の可能性を否定できるわけではありません。
だからこそ、陽性結果だけで判断せず、羊水検査などの確定検査へつなぐことが必要です。
また、NIPTでは、赤ちゃんの心臓、脳、消化管、骨格などの形の異常を確認することはできません。NIPTだけではなく、超音波検査などを行う必要があります。
全染色体検査・微小欠失検査について
非認証施設では、「全染色体を調べられる」「微小欠失症候群もわかる」「性染色体も調べられる」といった拡大項目を提供している場合があります。
一見すると、調べられる項目が多いほうが安心に感じられるかもしれません。
しかし前述のように、検査項目が多いことと、結果を正確に解釈できることは同じではありません。
特に珍しい疾患では、陽性と判定された場合に本当に病気となる確率、つまり「陽性的中率」が低くなりやすいという特徴があります。
検査で「陽性」と判定されたとしても、それが赤ちゃん本人の状態を正確に表しているとは限らず、確定的な検査や専門的な説明が必要になります。
また、胎盤と赤ちゃんの染色体が一致しない場合や、母体側の要因が検査結果に影響する場合もあります。NIPTの対象疾患が増えるほど、結果の解釈にはより慎重さが求められます。
検査項目の多さだけで判断せず、検査の精度、陽性時の対応、確定検査の方法、結果を誰が説明するのかを確認することが大切です。
丸の内の森レディースクリニックのNIPT

丸の内の森レディースクリニックは、日本医学会認定のNIPT認証施設です。
当院では、NIPTを「採血だけの検査」として行うのではなく、検査前の遺伝カウンセリングとプレエコー、結果後のフォローまで含めてご案内しています。
当院のNIPTでは、院長・宋美玄が遺伝カウンセリングとプレエコーを担当します。
まずはプレエコーで赤ちゃんの状態を確認し、NIPTがその方にとって適した検査かを考えます。
NIPTを希望して来院された場合でも、エコー(超音波)所見によっては、NIPTよりも精密超音波検査や確定検査を優先したほうがよいことがあります。
当院では、プレエコーによりNIPT以外の選択肢が適切と判断された方が5.9%いらっしゃいました。
NIPTを受ける前に赤ちゃんの状態を確認することは、不要な検査や不十分な判断を避けるためにも大切です。
費用は、NIPT単独が143,000円、NIPT+初期精密超音波が179,300円です。
診察料、遺伝カウンセリング料、プレエコー、NIPT費用が含まれます。
陽性時には、東京慈恵会医科大学附属病院と連携し、羊水検査を無料でご案内しています。
▷料金表
当院が大切にしているのは、NIPTを受けること自体をゴールにしないことです。
何を知りたいのか、何が不安なのかを整理したうえで、検査を受けるかどうかをご一緒に考えます。
NIPTを具体的に検討している方、認証施設で相談したい方は、当院のNIPTページもご覧ください。
▷NIPT(新型出生前診断)
NIPTの認証(認可)施設と非認証(無認可)施設に関してよくある質問

東京・丸の内でのNIPTは「丸の内の森レディースクリニック」へ

NIPTの認可施設と無認可施設の違いは、認証の有無だけではありません。
検査前の説明、検査項目の考え方、陽性時の確定検査への連携、判定保留時の対応、超音波検査との組み合わせ、結果を受け取ったあとの支援体制など、違いが多々あります。
なお、NIPTは高精度な検査ですが、確定的な診断ではありません。
また、検査項目が多いほど安心というわけでもありません。
丸の内の森レディースクリニックは、日本医学会認定のNIPT認証施設として、検査前の遺伝カウンセリング、プレエコー、陽性時の連携まで含めてご案内しています。
NIPTを受けるか迷っている段階でも、ぜひご相談ください。
参考文献
- こども家庭庁「NIPTを実施する認証施設|妊娠中の検査に関する情報サイト」
- 出生前検査認証制度等運営委員会「認証施設がNIPTで調べる病気を限定している理由」
- 出生前検査認証制度等運営委員会「認証医療機関・認証検査分析機関一覧」
- 出生前検査認証制度等運営委員会「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは」
- 出生前検査認証制度等運営委員会「NIPTを受けた10万人の妊婦さんの追跡調査」
- 丸の内の森レディースクリニック「出生前診断(NIPT・新型出生前診断)」
- 出生前検査認証制度等運営委員会 設置の経緯







