丸の内の森レディースクリニック

出生前検査(遺伝カウンセリング)

赤ちゃんの先天的な病気について

1. 赤ちゃんの病気の頻度と原因

生まれつき何らかの病気を持っている赤ちゃんは、生まれてくる赤ちゃん全体の約3〜5%と言われています。その原因は大きく分けて3つあります。

染色体異常によるもの

全ての細胞にある46本の染色体の本数が違ったり、途中で切れたり、一部が欠けたりする異常です。赤ちゃんの病気全体の約1/4を占め、なかでもダウン症候群(21トリソミー)は、赤ちゃんの病気全体の13%を占め、18、13番のトリソミーを合わせると約20%になります。また、染色体の本数などが通常とは異なるものの、病的な意義のないものもあります。

遺伝子レベルのもの

染色体の構造よりもさらに細かい遺伝子の情報の変化によるものです。遺伝したり、家族の中で多く見られたりする病気もありますし、赤ちゃんの代で突然変異として起こるものもあります。

外的な要因

 一部の感染症、お酒(アルコール)、放射線、一部の薬などが先天的な病気の原因になることがあります。

2.妊婦健診を受けていれば見つかりますか?

妊婦健診で行う超音波検査(エコー検査)ではお腹の赤ちゃんの発育や羊水量そのひとつです。ですが、かかりつけの施設での妊婦健診で毎回「問題がない」と言われているから、赤ちゃんの病気はないかというと、そうとは言えません。

通常の妊婦健診では赤ちゃんの発育(大きさ)や羊水の量、胎盤の位置やお母さんの健康状態をメインにチェックするため、赤ちゃんをどこまで細かく観察するかというのは施設によって大きく差があります。これは、診察に割ける時間の問題、超音波検査の技量の問題に加え、主治医の考え方によるところもあります。「親になるのだから、どのような病気を持つ赤ちゃんでも受け入れるべき。だからうちでは検査は行わない」という考え方のドクターもまだまだおられるようです。

ですが、赤ちゃんを育てるのは妊婦さんとご家族ですので、赤ちゃんについてどこまで知りたいかというのは妊婦さんの希望通りにするべきと当院は考えています。

一般超音波検査と胎児超音波検査の違いについて

妊婦健診の超音波は「一般超音波検査」と言って、赤ちゃんが元気かどうか、発育に問題ないか、羊水や胎盤に異常がないか確認します。原則として妊婦健診の超音波には赤ちゃんの解剖学的なチェックは含まれていません。当院では、胎児を1人の患者さんとして健康チェックを行う「胎児超音波検査」として「初期/中期精密超音波検査」を行っています。


出生前検査/出生前診断を受ける意味


出生前検査/出生前診断は「命の選別」と批判的に語られることもありますが、それはとても一面的な見方にすぎません。出生前検査は「一人の患者さん」として捉え、赤ちゃんやご家族にとって、一番健康で幸せな未来になるように、赤ちゃんの情報を知るためのものです。

当院では赤ちゃんの情報は妊婦さんのものだと考えています。赤ちゃんの持って生まれてくる可能性のある病気と、受けられる検査の種類とその意味について知り、妊婦さんとご家族が選択されるものだと思います。

時々、どのような病気を持つ赤ちゃんであっても、産み育てようと考えている方であれば検査は不要だというお考えを聞きますが、生まれてくる赤ちゃんにとってベストな環境になるためのものなので、それは誤りだと考えています。

最適な出産環境を整備できる

見つかる病気の種類によっては、出生後すぐに手術やNICU(新生児集中治療室)でのケア、特別な哺乳法・栄養法が必要な場合があります。あらかじめ設備の整った病院での分娩を計画したり、各専門医と連携しておくことで、赤ちゃんの命を救ったりや予後を大きく改善できます。

ご家族の心の受け入れ

生まれる前に病気の存在を知ることで、出産前に専門医から治療法やどんなふうに育ってどのように治っていくかの説明をうけることができます。さまざまな病気を持って生まれた赤ちゃんを育てているお母さん方からは、「この子を産み育てて、とても幸せ。でも、産む前に知ることができていたら、生まれてきた時にもっと純粋に喜ぶことができたのに」というお声も聞かれます。病気について知ることは、受け入れる準備につながります。


お腹の中での治療

数は多くありませんが、胎児のうちに診断することで、カテーテルを刺して胸水や腹水を抜くなどの胎児治療を行うことができる病気もあります。そのまま生まれてきた場合、命を救うのが難しいような病気でも胎内で治療することで予後が格段によくなることがあります。

産むか産まないかの判断 

病気の種類によっては、産み育てることがお母さんの健康を大きく損なうものもあります。大きな病気の場合、産むか産まないかの判断を行うことも現実的に行われています。検査で病気を知ること、そしてご家族が方針を選択されるまでのお手伝いをさせていただくことができます。

当院では人工妊娠中絶をおこなっていませんので、ご希望の場合は連携施設をご紹介いたします。

「赤ちゃんについて知りたい」と思うことは、これから命懸けで出産し、育児を担う妊婦さんの権利だと考えています。病気の情報を早く得ることは、決して不安を増やすだけではなく、赤ちゃんを守り、適切な支援を得るための「力」になります。

出生前検査全般/遺伝カウンセリングについて

出生前検査(出生前診断)は、おなかの赤ちゃんの状態について、妊娠中に得られる情報をもとに、妊婦さんとご家族が納得して選択していくための医療です。私たちは「赤ちゃんの情報は妊婦さんのもの」という考え方を大切にし、どんなことを心配されているのかを伺い、さまざまな検査の種類と意味、分かること・分からないことを丁寧にご説明したうえで、必要な方に遺伝カウンセリングと検査をご案内しています。

遺伝カウンセリングでは、それぞれ検査を「受ける/受けない」を決めたり、検査結果を受け止め、次の選択肢を整理したりさせていただきます。出生前検査は、結果が出た後に「どうするか」を考える必要があるため、さまざまな内容について伺ったり、お話したりします。

  • 妊婦さんやご家族にどのような背景があり、どんな病気を心配されているか
  • どの検査で、何がどこまで分かるか(検査の限界・偽陽性/偽陰性の可能性など)
  • 検査結果が陽性やハイリスクの場合の確定検査について
  • 赤ちゃんの状態が分かったとき、分娩施設選びや医療体制の準備をどう進めるか
  • ご本人・パートナー・ご家族の価値観

出生前検査の種類

出生前検査は一般的に、リスクを調べる検査(スクリーニング/非確定的検査) と、診断を確定する検査(確定的検査)大別されています。

NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)妊娠10週頃〜 

当院は日本医学会による出生前検査認証制度等委員会に正式に認定された実施施設です。  

妊婦さんの血液から胎児のDNAの断片を検出し、主に特定の染色体数的異常(13・18・21トリソミー)の可能性をほとんど見落とすことなく、調べます。NIPTは「診断」ではなく、結果が陽性でも確定ではないという点です。陽性の場合は、原則羊水検査で確定検査で確認が必要になります。

詳しくはこちら。

FMFコンバインドプラス 妊娠11〜13週

FMF(Fetal Medicine Foundation)の基準に基づき、ライセンスを保持した医療者が行う、初期精密超音波検査と母体血清マーカー(血液検査)を組み合わせた出生前検査です。初期の解剖学的チェックと超音波マーカー(NT(後頸部透亮像)、DV(静脈管)、NB(鼻骨)、TR(三尖弁逆流)、FHR(胎児心拍数))を行ったのち、母体血中のPAPP-A, free βhCGという2種類のタンパク質を測定します。それらの結果を組み合わせ、FMFのソフトウェアを用いて13・18・21トリソミーの確率を分数で計算します。

血液検査を組み合わせることで、初期精密超音波を単独で行うよりも、検出感度が高くなり、見落としが少なくなります。この検査でダウン症候群を約93〜96%検出します。

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初期精密超音波検査(11〜13週)/中期・後期精密超音波検査(18週頃〜)

GEの最新機器Expert E22を用いて、ISUOG(International Society of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology: 国際産科婦人科超音波学会)の定めるガイドラインに基づき、赤ちゃんの解剖学的な特徴を細かく観察します。初期では、超音波マーカー(NT(後頸部透亮像)、DV(静脈管)、NB(鼻骨)、TR(三尖弁逆流)、FHR(胎児心拍数)もチェックします。初期と中期・後期ではそれぞれ得られる情報が異なるのでできるだけ両方の受検をおすすめします。
NIPTでは分からない解剖学的なチェックですので、NIPTと併せて受ける方が多いです。(他院でNIPTを受けた方にもおすすめです)

超音波検査は、性質上、胎児の向きや動き、子宮の向き、母体の要素などにより見えづらかったり時間を要したりすることがあります。また、胎児の異常や先天的な病気は、超音波という画像の検査で見分けることができる形の変化だけではありません。超音波検査で異常が見つからない場合でも100%順調に育つと断言できるものではないことを、あらかじめご理解いただけますようお願いいたします。

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侵襲的検査(羊水検査・絨毛検査)について

羊水検査・絨毛検査は、羊水もしくは胎盤の一部を採取し、赤ちゃん由来の細胞(絨毛検査の場合は胎盤の細胞)を直接調べるため、診断の確定になる検査です。(確定検査)

感染や流産などのリスクがわずかながら伴うため、上記の各種検査で陽性もしくはハイリスクの結果、家族歴があるなど、適応がある場合に行います。
羊水検査・絨毛検査の必要性が高いと判断される場合、連携している医療機関へ責任をもってご紹介します。

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当院は予約制です。当日予約もできます。緊急避妊は予約不要ですので、直接お越しください。

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