



中には、月経(生理)を「デトックス」や「女の証」など、何か意味があるものだと思っている方も少なくないと思います。しかし、排卵と月経はそもそも生殖(妊娠)のためにあるもの。ですから、妊娠を望んでいない時には体にとってプラスになるものではありません。
そればかりか、生理のたびに月経血が卵管を通ってお腹の中に逆流し、子宮内膜症の引き金になるリスクがあるので、生理は体にとって負担になります。
生理痛がある人はない人に比べて将来子宮内膜症を発症するリスクが高く、2.6倍になるという報告もあります。また、思春期の時点で生理痛のある人の7割にすでに子宮内膜症病変があるとの報告もあります。子宮内膜症は不妊症の原因の一つです。我慢して、我慢して、子供が欲しくなった頃には自然妊娠がしづらくなっている、という方も残念ながら珍しくありません。
また、生理痛は働く女性の生活の質を下げるという調査もあります。なんと、月経期間中だけでなく、そうでない時期の生活の質も低下するという結果です。
実は、生理痛は「痛み」という個人的な問題だけでなく、妊娠出産に繋がっている問題でもあり、企業や社会にとっても他人事ではない問題なのです。
当院では様々な治療を取り扱っています。(ほとんどの治療が保険診療ですが、月経困難症だけではなく子宮内膜症と診断された場合にのみ保険適応となるものもありますので、診察室で担当医にご相談ください。)

痛みを取る薬による治療です。生理痛の原因そのものに効くわけではありませんが、痛みを取ることで生活の質を上げていくことができます。我慢できなくなるまで痛み止めを飲むのを我慢しているという方もいますが、安心して使っていただけるよう、お話しの上処方しています。

生理痛で辛い方の中には漢方薬がよく効く方もいます。当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯、温経湯、などを使いますが、患者さんの体に合ったものを見つけていきます。漢方外来もございます。(火曜日午後)

生理痛の本来的な治療法の一つです。ピルというと、避妊薬や副作用のある薬というイメージを持っている方もまだまだ多いかも知れませんが、初経から10年も20年もの間、排卵や生理が年に12~13回もある現代女性のライフスタイルは、子宮や卵巣に大きな負担となり、先進国の女性に子宮内膜症が増える原因となっています。OC/LEPは、排卵と子宮内膜の増殖を止めて、子宮と卵巣を毎月の働きから休ませる子宮卵巣の「省エネ」化治療です。晩産化・少子化の時代に、子宮と卵巣の負担を軽減する薬なのです。
当院ではメリット・デメリット、種類、飲み方、副作用などについて医師が詳しくご説明し、治療法を選んでいただいています。
(年齢、体重、喫煙習慣、血栓症の家族歴のある方や偏頭痛のうち前兆のあるものをお持ちの方などOC/LEPがお選びいただけない方は、天然型エストロゲンのタイプのLEPや、黄体ホルモン剤や子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)をお薦めすることが多いです)

エストロゲンを含まない、黄体ホルモン単剤の生理痛治療薬です。OC/LEPと異なり、基本的に月経がこなくなるため、月経周期という概念がなくなります。不正出血はしばしば起こる副作用ですが、怖い副作用ではありません。
月経困難症に対し、保険収載されているジエノゲスト、ノアルテンは、10代〜50代まで処方されている薬です。
また、保険は効きませんがエストロゲンを含まない避妊薬(ミニピル)として承認されているスリンダが使われることも臨床の場ではよくあります。
スリンダは、黄体ホルモン(ドロスピレノン)の作用により、排卵を抑え、子宮内膜を変化させて着床を抑制し、頸管粘液を変化させて精子の通過を阻害することで避妊効果を発揮するお薬です。通常、避妊に用いられます。日本では初めて承認された、エストロゲンを含まない飲み薬(ミニピル)です。自費診療なので保険は効きませんが、長期処方が可能です。(税込3300円)

詳しくはミレーナのページをご覧ください。
たくさん種類がある製剤からどれを選ぶかについては、費用、生理の頻度を減らせるもの、なるべく不正出血が少ないもの、月経前症候群(PMS)にも効果を期待したい場合、などのうち何を重視するかを伺って、初めに試していただく製剤を選んでいきます。
しかし、試してみなければその製剤が体に合うか、副作用(頭痛、吐き気、不正出血など)が持続して続けづらいか分かりません。
副作用を感じる方は多くはありませんが、感じる場合は飲み始めが多く、1〜2週間で軽くなっていくことが多いです。一方、ホルモン治療は、安定して効果が実感できるようになるまでに一般的に2〜3ヶ月かかります。効果が感じられる前に、副作用によって不安になり中断してしまうことが極力無いように、きめ細かく伴走していくのが当院の治療方針です。
なお、当院では院外処方を含め、厚生労働省の薬事承認を得ている薬剤のみを取り扱っています。並行輸入品などのお取り扱いはございません。

1シート4週間分あたりの価格は、先発品は3000円/後発品は2500円(共に税込)です。
当院では、継続してお薬を内服されている患者様に1年に1回の超音波検査による子宮、卵巣状態を確認させて頂いております。
トリキュラーは、黄体ホルモン作用および卵胞ホルモン作用により、主として排卵を抑え、子宮内膜変化により着床を抑え、頸管粘膜変化により精子通過を阻害して、避妊効果を発揮するお薬です。通常、避妊に用いられます。ラベルフィーユは、トリキュラーの後発のお薬です。
マーベロンは、黄体ホルモン様・卵胞ホルモン様物質の合剤で、排卵抑制作用のほかに、子宮内膜変化による着床阻害作用や頸管粘液変化による精子通過阻害作用により、妊娠を防ぎます。通常、避妊の目的で用いられます。ファボワールは、マーベロンの後発のお薬です。

現在日本で保険収載されているこれらのLEPはすべて院内処方も可能です。
はい、医師が月経困難症と診断した場合、保険で治療が可能です。
医師に希望をお伝えください。多数の選択肢から医学的に可能な範囲で希望に沿うように選んでいきます。
生理痛の原因となるような疾患がないか、通常内診台で内診と超音波検査を行います。性交渉の経験のない方は、腹部からの検査が可能です。
保険診療の場合は3ヶ月分まで処方が可能です。自費診療の場合はより長期の処方が通常可能です。
低用量ピルのガイドラインにより、健康診断で採血を受けている人には特別な採血を定期的に行うことはしていません。Dダイマーは血栓症の診断には役立ちますが、予知には使えないので、当院では定期的なDダイマーの検査は行っていません。
通常、一年に一度程度、超音波検査を行っています。また、子宮頸がん検診を受ける機会のない方には同時に行うこともあります。
当院では無診察処方は行っていません。症状の安定した方の処方のため、エクスプレス枠という待ち時間の少ない枠がありますので、よろしければそちらをご利用ください。

*土日祝日・年末年始は休診日です。
当院は予約制です。当日予約もできます。緊急避妊は予約不要ですので、直接お越しください。受付は診療終了の30分前までとなります。

