WEB予約制(緊急避妊は予約不要)
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2025.06.13
現在、さまざまな医療機関でNIPT(新型出生前診断)を
受けることができるようになりましたが、
その中には、厚生労働省の指針に基づいた
「認証施設」ではない医療機関(以下、無認証施設)も含まれています。
当院では、どのようなご事情であっても、
すでに無認証施設でNIPTを受けられた方を含め、
すべての妊婦さまに安心してご相談いただけるよう努めております。
NIPTに限らず、胎児超音波検査のみの受診も歓迎しておりますので、
どうぞお気軽にご相談ください。
以下に、NIPTをご検討中の方、あるいはすでに受けられた方に知っていただきたい
重要な情報をお伝えいたします。
【NIPTの結果は「確定診断」ではありません】
NIPTは、特定の染色体異常に対するスクリーニング検査であり、
「陽性」と判定された場合でも、それが必ずしも確定診断ではないことをご存じでしょうか。
たとえば、20代の方がダウン症候群で「陽性」と判定された場合でも、
実際にその疾患である確率(陽性的中率)は約8割とされています。
認証施設では、陽性判定後に羊水検査などの確定診断が受けられる
提携を含めた診療体制が整っており、
費用が妊婦さんのご負担とならない場合も多くあります。
一方で、無認証施設ではこうした十分なサポートが受けられず、
結果に不安を抱えたまま対応に苦慮される方も少なくありません。
【検査の精度や適切な診断体制が整っていないケースも】
現在、信頼性の高い検査会社は、
認証施設からの検体のみを受け付ける仕組みが導入されています。
無認証施設の中には、独自に検査設備を設けたり、
海外に検体を送ったりしているところもあり、
検査精度や品質管理の基準が不透明な場合があります。
また、極端に妊娠初期(6週など)からの検査を宣伝する施設も存在しますが、
医学的な根拠が十分ではなく、検査結果の信頼性に課題があるとされています。
NIPTを希望される方の中には、
超音波検査を受けていれば発見できた異常が見逃されたまま、
高額なNIPTを受けてしまうケースもあります。
当院では、NIPTの前に必ずハイエンドモデルの超音波検査機器による
超音波検査を実施しておりますが、
無認証施設では事前に赤ちゃんの状態を確認しないまま
採血が行われることがほとんどです。
超音波検査によって、妊娠の進行状況や胎児の健康状態を確認し、
NIPTの適否を判断することが重要です。
無認証施設の中には、性染色体検査や全染色体スクリーニング、
微小欠失症候群の検査など、
認証施設では実施していない検査を提供している場合もあります。
これらの検査は精度が低かったり、
結果の解釈に高い専門性を要することがあるため、
正確な説明を受けられないと不安や誤解を招く可能性があります。
性染色体に関しても、「性別が分かる検査」として誤解されることがありますが、
実際には染色体構造に関する医学的知識が必要な結果を含むことが多くあり、
「性別がわかる」とは言えないと考えます。
NIPTで判定できる先天的な疾患は、
13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー(ダウン症)の3種類に限られます。
一方で、胎児超音波検査では、より広範囲な疾患や異常の兆候を確認することができます。
「NIPTで安心」と思い込んでしまうことで、本来非常に重要な胎児超音波検査を受ける機会を失ってしまう方もいらっしゃいます。妊婦健診で行われる一般的な超音波検査とは異なり、胎児超音波検査ではお腹の赤ちゃんを一人の患者さんとして丁寧に診ていく検査です。
無認証施設でNIPTを受けられた方の中には、陽性という結果に対して十分な説明や支援が得られず、不安な気持ちのまま中絶を決断されてしまうケースも報告されています。
こうした事態を避けるためにも、結果に不安を感じた場合は、どうか一人で悩まず、臨床遺伝専門医が在籍する医療機関へのご相談をおすすめします。
また、当院では無認証施設でNIPTを受けられた方のご相談や、超音波検査のご希望も多く受け入れており、安心してご来院いただける環境を整えています。
最後に|より良い検査環境のために
無認証施設でのNIPT提供には現時点で法的な規制がないため、現状では患者さまご自身の判断が大きな鍵を握ります。今後、例えば認証施設での検査にのみ助成が適用されるような仕組みが整えば、より安全で信頼性の高い医療環境が実現するのではないかと考えています。
NIPTは妊婦さんやご家族にとって非常に大きな意味を持つ検査です。だからこそ、正しい情報と、安心できるサポート体制のもとで検査を受けられることが大切です。皆さまの大切な選択を、当クリニックは心から応援しています。